企業不正の真実
私の経験から得られた企業不正の真実は、ごく普通の真面目な社員が犯罪者になってしまうこと、そして不正を犯した本人だけでなく会社と本人の家族までも不幸のどん底に追い込んでしまうことです。
こういった悲惨な結果をもたらす企業不正の根本的な原因は、驚くことに、不正を犯した本人ではなく会社の内部環境にあります。だからこそ、不正が起きたとしたら、その責任は会社にあるのです。このことをどうしてもビジネス社会で生きるすべての人に知ってもらいたいのです。
企業不正の正体
企業不正に関しては、どんなにその人が立派でまじめな人柄だと思えても、「この人は絶対に不正をしない」と判断することはできません。それは社内の環境が人を狂わせるからです。どんなに意志の強い人間でも負けてしまうような誘惑が社内の至る所にあります。
企業不正の正体とは「不正を行うのに圧倒的に優位な状況を目の前にすると、その誘惑に負けて良心の呵責を乗り越えてしまう」という人間の持つ本質的な弱さです。
普通のまじめな社員が大きな不正に手を染める原因はここにあります。不正は人間が本質的に持っている心の弱さが原因で起こります。だからこそ、誰でも不正の罠に陥る危険性を抱えています。ところが、世の中のほとんどの企業(約99%)は不正対策らしい不正対策を行っていません。
実効性のある不正対策
私は200社以上に及ぶ監査・調査で多くの不正行為を目の当たりにしてきました。もうこれ以上、普通の人間を犯罪者に変えてしまう企業不正という名のトラップ(罠)を放置できません。
大企業のように専門の人材がいなくても、内部統制やコンプライアンスを良く知らなくても、そして、多額のコストをかけなくても、十分に効果のある不正対策があることを多くの会社関係者に知ってもらいたいと思っています。
圧倒的な知識と経験、そして鍛え抜かれた監査技術
私は監査法人を独立後、大会社とともに中小規模会社の監査・調査も数多く手掛けてきました。中小規模の会社は監査や不正調査に多額のコストをかけることができません。それに加えて、業務活動を阻害するような形の監査や調査も許されません。
そういった制約の中で、長年に亘り監査・調査の技術を鍛練し続け、そして多くの優良企業が持つ不正防止の実践的な仕組みを研究し続けた結果、最小のコストで最大の効果が得られる仕組みを構築することが出来ました。それが「不正防止の3本柱」と「不正発見の3つの技術を使った短期不正調査」です。
これは、あらゆる企業が自ら実践できる最も有効な不正対策だと確信しています。近年起こった不正事件(カネボウ白斑問題、ホテル食材偽装事件、オリンパス事件、年金基金横領事件、STAP細胞論文不正、ベネッセ顧客データ流出事件)も、不正防止の3本柱のいずれかが腐っていました(欠陥があった)。
不正防止の3本柱を理解すれば、単に内部統制やコンプライアンスの不備といった曖昧な説明ではなく、その会社が抱える本質的な問題を的確に把握できます。また、不正発見の3つの技術を習得すれば、誰でも不正調査ができるようになります。しかも、たった一人、3日間でほとんどの不正行為(9割)を発見することができます。
ハイブリッド型マネジメントの特徴
実は世界に冠たる優良企業は必ずと言ってよいほど、この仕組みを会社全体のマネジメントに組み込んでいます。私はこの仕組みを「ハイブリッド型マネジメント」と呼んでいます。
このハイブリッド型マネジメントは徹底的に不正を防止すると同時に、徹底的に利益をも追求するという、いわば相反する課題の両取りを可能にした仕組みです。
私はこの仕組みを大企業から中小企業まですべての企業が導入できるように「對馬式ハイブリッド管理会計」として体系化しました。
世の中から企業不正を無くすために
私は不正対策をしていない日本の99%の企業に、不正を低コストで効果的に防止する方法があることを是非知ってもらいたいと思っています。また、連日のように報道される不正事件の本当の原因、本質を伝えたいと思っています。
それによって多くの会社が不正対策の必要性に気づいてくれることを期待しています。そして世の中から、人と会社を破滅させる企業不正が無くなることを強く願っています。そのために、できる限りの力を尽くすことが私の使命だと思っています。
對馬公認会計士事務所
代表 對馬 英年